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当サイトは、東北関東大震災で被災された方に災害に関する法的知識を提供するボランティアサイトです。

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イデア綜合法律事務所有志

預金/保険に関する問題Deposit&Insurance

預金に関する問題



Q1 地震と津波で通帳やカード類(キャッシュカード・クレジットカードなど)をなくしてしまいました。すぐに現金が必要なのですが、どうすればいいのでしょうか。


A1 
 
通帳・カード等を紛失された場合は、直ちに警察と金融機関(銀行・郵便局など)に紛失を届け出ることです。災害時に電話がかかりにくいことも多いのですが、通信手段が回復したら直ちに連絡しておきましょう。
 通帳やカードがなくても、あなたが預金者であることと残高の証明があれば払い戻しが出来る場合が多いようです。
 預金者であることの証明には、運転免許証、健康保険証、パスポート等ですが、その他住所・生年月日・暗証番号なども必要になる場合もあるでしょう。災害時に自治体が発行する罹災証明書も本人証明手段としては有力です。
 残高証明は、金融機関のコンピューターが動いていれば簡単です。動いていない場合は困難を伴いますが、あきらめずに交渉してみることです。
 
災害時には、金融機関が特別な措置をとることもありますのであきらめずに交渉してみることは必要でしょう。阪神淡路大震災の際にも特別措置がありましたし、新潟県中越地震、能登半島沖地震でも災害救助法の適用をうけ、災害直後に同様の特別措置がとられたそうです。



Q2 災害時に特別な支援・融資は受けられますか?


A2 
  公的機関による支援制度、特別措置として金融機関から緊急融資が受けられる場合もあります。
公的機関からの支援制度>
 災害でなくなった方や、負傷された方に支給されるものとして
「災害弔慰金」、「災害障害見舞金」があります。
 また、住宅や生活再建を支援する
「被災者生活再建支援金(生活関連経費、居住安定支援制度)」、「住宅応急修理制度(現物支給)」などがあります。
 
返済が必要な物として、「災害援護資金(災害弔慰金の支給等に関する法律によるもの、生活福祉資金制度によるもの)」、「生活福祉資金(緊急小口資金)」、「母子寡婦福祉貸付金」があります。
 詳しい金額や内容は、各自治体等にお尋ね下さい

民間金融機関からの融資>
 民間金融機関からの融資については、一般的に担保が必要ですから、緊急時の融資を受けることは困難であると思われます。但し、阪神淡路大震災の際には、定期積金や定期預金等を担保として緊急融資に応じるように日銀や郵政省等に指導がなされましたので、同様の取扱がなされる可能性もゼロではありません。ただ、これも、担保の価値以上の融資を受けられないという点では変わりはありません。



Q3 住宅ローンの返済はどうなるのでしょうか。


A3 
 住宅ローンは、お金を借りて住宅を買い、その借りたお金を分割で返済するというものです。したがって、お金を借りて家を買い、まだ完済できていない以上、震災や津波で住宅を失っても、震災で仕事をなくして支払えなくなったとしても、
原則として支払義務がなくなるわけではありません。さらに、被災したからといって利息や支払時期について、無条件に軽減されることも原則としてありません。
 ただし、大震災発生などで,被害が甚大である場合には、超法規的措置(法律を超えた特別措置)がとられる場合もあります。ご自身が融資を受けた窓口でお問い合わせされ、特別事情を説明の上粘り強く交渉し、場合によれば裁判所の調停手続きの利用も含めて支払い猶予の話し合いをされるとよいでしょう。
 なお、
阪神淡路大震災の際には、公的機関の住宅ローンの他、民間金融機関の住宅ローンも、据え置き期間の延長・一定期間の支払猶予・期間の延長などの負担軽減措置がとられました。住宅ローン以外の借入金についても特別措置がなされました。金融機関にお問い合わせの上、場合によれば弁護士を間に入れるなどして、よく話し合うことが必要です。



Q4 電気、ガス、水道などの公共料金は避難していて使っていない日の分も支払う必要がありますか?


A4 
 電気・ガス料金については、災害対策法が適用される地域や隣接する地域においては、被災者からの申請に応じて、料金支払期限の延期、または免除の措置がとられます。申請の方法その他については、各電力会社・ガス会社にお問い合わせ下さい。
 水道料金については、各自治体によって、支払期限や減免の措置がとられるところが多いようです。
 電話料金については、該当エリアを担当する電話会社によって同様の料金免除等が行われることがあります。
 
実際の適用状況、申請が要るかどうか、申請方法などについては、各会社の窓口までご相談下さい。




Q5 自宅が津波で流されました。事業資金のために担保に入れていたのですが、担保(抵当権)はどうなりますか?



A5 
 抵当権が設定された家が崩壊してしまった場合、抵当権の目的物が滅失したと言えますから、抵当権も消えます。その場合、抵当権は家屋の残骸には及びません。不可抗力によるものですから、特約がない限り、担保がなくなったのだから直ちに全額を支払えと請求されないのが原則です。
 しかし、
多くの場合は特約がつけられていて、直ちに残金取立てとなる場合や代わりの担保を入れる必要が出てくる場合がほとんどです。もっとも、阪神淡路大震災の場合のような大災害の場合には、特別措置(具体的な事案によりますが、特約の適用を見合わせ、直ちに残金の支払いを求めたり、直ちに代わりの担保の提供を求めたりしない措置)がとられる場合もあります
 建物が完全に倒壊せずに残っている場合に、勝手に取り壊して抵当権を消滅させてしまうと抵当権者から損害賠償請求を受ける危険があります。また新たに、建物を建築した場合には前の抵当権は新しい建物に及びませんが、借金が残っている以上、抵当権者とトラブルになる可能性があります(家を建てるお金があるなら借金をまず返せと言われます。)。
建物の再築は抵当権者と十分に話し合ってからにした方が良いでしょう


<関連リンク集>

東北地方太平洋沖地震関連情報(財務省)

東北地方太平洋沖地震関連情報(金融庁)

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震にかかる災害に対する金融上の措置について(金融庁)

東北地方太平洋沖地震に関する全銀協の対応(全銀協)

東北地方太平洋沖地震に係る被災のお見舞いならびに信用組合の営業状況に関するお問い合わせ先について

東北地方太平洋沖地震の被災地における信用組合に関するご相談窓口の設置について






蒼く静かな空


田舎のB&Bで宿泊した際に撮影しました。


「明けない夜はない」という言葉を思い出したことを覚えております。



(撮影者:坂野)


保険に関する問題




Q1 母親が被災し、残念ながら死亡してしまいました。母親は生命保険に加入しているといつも言っていましたが、保険証券が見当たりません。どうしたらいいでしょうか。


A1 
加入先保険会社を見つけて問い合わせましょう。
 加入先保険会社は意外に見つけやすいものです。保険内容の案内や振込用紙、保険会社からもらったカレンダー、手帳、メモ帳もあるかもしれません。また、保険料が通帳引き落としになっている場合は、通帳が見つかれば分かります。またどうしても見つからなくても、保険料支払いが停止した場合は、被災後にお母さん宛に郵便で未払通知が届く可能性も高いところです。いずれにせよ、
可能性のある保険会社には問い合わせてみるべきです。
 どうしても保険会社が特定出来ない場合は、社団法人生命保険協会が設置している生命保険相談所(電話03−3268−2648)、(損害保険の場合は社団法人日本損害保険協会「損害保険相談室」(電話0120−10−7808)に問い合わせてみるのも一つです。阪神大震災の際には、上記の業界団体が積極的に対応してくれたようです。
 津波などで保険証券が失われても、保険会社に原簿が残っていますので、再発行は可能です。加入している保険会社に再発行の手続きをとって下さい。必要書類が手に入らなくてもあきらめず、加入会社に詳細を確認してみて下さい。




Q2 生命保険に加入していますが、災害時特約というのがあるそうです。どのようなものがありますか?


A2 災害時特約も
様々であり、加入されている生命保険会社に問い合わせて確認しておきましょう。
 生命保険契約も様々ですし、それに附帯する特約も様々であり、しかも各保険会社によって違います。主な災害時特約としては、
@災害割増特約(災害死亡割増特約)〜不慮の事故や特定感染症で死亡した場合、主契約の死亡保険金に上乗せして災害死亡保険金が支払われます。A傷害特約〜不慮の事故や特定感染症で死亡した場合、主契約の死亡保険金に上乗せして災害死亡保険金が受け取れます。また不慮の事故で所定の障害状態になったときは、障害の程度に応じて障害給付金が支払われます。B災害入院特約〜不慮の事故で入院した際、入院給付金が支払われます。
 いずれの保険も請求しないと支払ってもらえません(
保険法上の時効は3年です(保険事故発生から3年たてば時効で請求できなくなる)が、特約によりその期間が変わることもありますのでご注意下さい)。なお、保険契約上、地震・噴火・津波などの大災害時には給付金が受け取れないと規定されている場合もありますので注意が必要です。
 保険会社に支払を拒絶された場合はとにかく、弁護士にご相談下さい。
   



Q3 震災で自宅も仕事もなくなって生命保険料の支払いが出来ません。解約するほかないのでしょうか?


A3 
災害救助法が適用された地域の被災者の契約については、生命保険会社では契約者の申し出があれば保険料の払込について最長6ヶ月間延長する特別措置を実施しています。申し出が必要ですので、出来るだけ速やかに保険会社に問い合わせるべきです。
 また、解約するしかないと思っても、新たに加入できるかどうか分かりませんから、保険金の減額、特約の解約、延長(定期)保険への変更、払済保険への変更等の手段により保険を維持することができるかもしれません。生命保険会社に問い合わせてみて下さい。




Q4 地震保険について教えて下さい。


A4 通常の火災保険では、地震を原因とする火災による損害や、地震により延焼・拡大した損害については、補償されません。地震を原因とする火災かどうかの判断は難しく、裁判を起こしても「地震と関係のない火災である」との判断を頂くのはかなり困難だと考えて下さい。
 JAなどの建物更生共済等を除き、火災保険の特約として地震保険が設けられているシステムがほとんどです。火災保険に加入しても自動的に地震保険に加入したことにはなりません
 地震保険の加入限度は、建物5000万円、家財1000万円を限度に、加入している火災保険の30〜50%の範囲で、契約者が決めることになります。保険料は地域により異なります。最近では「地震費用保険」も登場しています。2007年1月より地震保険料控除が設けられています。




Q5 地震とその後の津波で自宅は倒壊しませんでしたが、津波の際に家財を2階にあげようとして階段から落ち、骨折してしまいました。自動車も津波で流されてしまいました。その後、家族の助けで避難できましたが、自宅は近所から出火した火災で焼けてしまいました。この場合、どの保険で補償してもらえるのでしょうか?


A5 地震保険に加入していれば、その限度内で、自宅と家財道具について保険金を支払ってもらうことが出来ます。しかし、火災保険では地震に基づく火災は補償されません。骨折については、地震・津波などの天災による怪我は、傷害保険に「天災危険担保」特約をつけていれば補償されますが、通常の傷害保険では補償されません。自動車については、家財ではありませんので火災保険では補償されません。また、通常の自動車保険(車両保険)・自動車総合保険では地震を原因とする損害については補償されません。「地震・噴火・津波危険車両損害担保特約」に加入していれば、補償されますが割り増し保険料が必要です。




<関連リンク>

東北地方太平洋沖地震により被災された皆さまへ(社団法人生命保険協会)


このたびの地震により被災された皆様へ(社団法人日本損害保険協会)


保険料払込猶予期間の延長に関して(社団法人生命保険協会)


災害救助法適用地域(社団法人生命保険協会)



※追記
 日経新聞4月5日朝刊によると、大手生命保険会社は東日本大震災で被災した契約者に対して、保険金の請求期間(原則は保険事故から3年以内の請求期限を特例措置で3年経過後も請求を認めるべきと判断)や保険料の納付期限を延長する(通常2ヶ月の滞納で失効するところ、契約者の申し出がなくても最長9月末まで自動延長する方針。10月1日以降も契約継続を希望する場合は未納分の保険料を払えば引き続き加入可能など)方針を固めた、との報道がなされています。



良き羊飼いの教会



「良き羊飼いの教会」という名前の教会です。

 私が訪れたときはもう閉まっていましたが、夕日がわずかに窓を染めていました。

 とても静かな夕方でした。

(撮影者:坂野)












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