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当サイトは、東北関東大震災で被災された方に災害に関する法的知識を提供するボランティアサイトです。

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イデア綜合法律事務所有志

ボランティアの問題Volunteers



ボランティアに関する問題




Q1 ボランティア団体に参加して活動中に、ボランティアを指導しているリーダーの指示で被災した倒壊建物を片づけていた際に、余震が起きて残っていた建物の倒壊に巻き込まれ大けがをしてしまいました。団体もリーダーも善意のボランティアなので、心苦しいのですが、治療費などを団体やリーダーに請求することはできるのでしょうか?


A1 
 ボランティア団体が、団員に安全に活動できるように注意を払うべき義務(安全配慮義務)を負うかについて、参考になる最高裁判例があります。その判例は、直接契約関係になくても事実上指揮監督を受けている場合には、安全配慮義務があるというものです。この判例の考え方からすると、
ボランティア団体に故意(わざと)、過失(落ち度)によって安全に配慮する義務に違反したと思われる場合には、ボランティアに対して損害賠償義務を負う場合が考えられます。たとえば、余震による建物倒壊による事故がよく起きており、その事実をボランティア団体がよく分かっていたか、知っておくべきだったのに、リーダーやボランティアに、余震に関して何の注意の指示もしていなかった場合などには損害賠償責任を問える可能性が高いでしょう。
 
リーダー個人も、危険な現場でボランティアを指導監督する立場にありますから、やはり、ボランティアの安全を確保する注意義務を負うものと考えられます。リーダーには酷かもしれませんが、ボランティアであっても法的責任を認める裁判例があります
 建物の持ち主に対する請求ですが、建物の設置・保存に問題があれば持ち主にも損害賠償責任が発生する可能性がありますが、本文の場合、大震災により建物がすでに倒壊していますから、持ち主の責任を問うことは難しいでしょう。
仮に、損害賠償請求ができる場合でも、あなたに落ち度があれば、過失相殺により損害額が減少する場合があります。




Q2 今回の震災で私が立ち上げたボランティア団体で、手伝いをしてくれるスタッフに、ときおり、感謝の気持ちで薄謝のお礼を手渡してきました。とてもよくやってくれるので、毎月給料を支払うことにしたいと思います。スタッフは給料はいくら安くてもいいと言ってくれるのですが、最低賃金という言葉を聞いたこともあります。本当にこれでいいのでしょうか。


A2 
 ボランティア団体であっても、スタッフとの間に雇用契約が成立している場合は、最低賃金以上の給与を支払う必要があります。これはいくらスタッフが了承していても関係ありません。
 では、どのようなときに「雇用契約」が成立しているかということですが、スタッフとの間で「ボランティア契約」という名前で契約しているか「雇用契約」という名前で契約しているかという契約の名前の問題や、契約書の有無の問題ではなく、実際の状況で判断されます。
 
雇用契約(労働契約)があるといえるかの判断は、勤務時間の拘束、勤務場所の指定、業務遂行過程での指揮命令の有無などを総合的に考慮して、使用従属関係(法的な従属性〜つまり労務提供全般にわたり一般的な指揮監督を受ける関係)があるかどうかによって決まります。
 また、「お礼」「薄謝」名目でお金をスタッフに渡している場合でも、スタッフの労務提供の対価という関係が認められるような場合は賃金と認定されて最低賃金を支払う必要が出てくる可能性もありますので、ご注意ください。



Q3 私のボランティア団体に、被災者に食料を配ってほしいと添え書きされて、義捐金が送られてきました。今は冬なのでこの義捐金を使って、被災者にストーブを買っても良いですか。また、被災者に配布しきれなかった毛布が余ったので福祉団体に寄付しても良いでしょうか。


A3 
 法律的に考えると、義捐金を出された方の委任を受けてボランティア団体が義捐金を使うわけですから、
義捐金を出された方の意思に従って、使うべき義務があります。したがって、義捐金を出された方にお断りしてストーブを買うべきだということになります。
 しかし、「被災者のために使ってほしい」という添え書きがある場合は、使用目的は被災者のためであればよいという包括的な委任があると思われますので、被災者のためになる使い方であれば、許されるでしょう。また、匿名での義捐金に関しても、委任の本旨の確認可能性を事前に放棄しているわけですから被災者のためという目的に合致してさえいれば、使用を許されると考えることも可能でしょう。
 
義捐金を募る場合には、「被災者のために有益に使うことができる」という包括的なご了承を得ておくことが一番です。
 余った毛布については、被災者に配布するために集めたのであれば、その目的のために使うよう委任を受けていることになるので、勝手に福祉団体に寄付することは委任契約違反になりかねません。事前に「被災者に配布できない場合、配布する必要がなくなった場合は、寄付の趣旨を尊重して有益と判断される用途に使用する可能性がある。」と包括的な了承を得ておいた方が良いでしょう。



Q4 ボランティア活動の一環として、被災者の方を自動車に乗せて仮設住宅に運んでいる途中に、不注意で運転を誤って事故を起こし、被災者の方に怪我をさせてしまいました。私は責任を負いますか?


A4 
 不注意な運転で事故を起こし、同乗者に怪我を負わせた場合は、通常、不法行為に基づく損害賠償責任(民事責任)を負う可能性、業務上過失傷害罪(刑事上)の責任を負う可能性があります。
 問題は、純然たる行為によるボランティア行為であっても、通常の場合と同じく責任を負うのかということです。
 この点、民事責任についての
裁判所の立場は、ボランティア活動のような無償の社会的有益な活動であっても、不注意で損害を与えてしまった場合には責任を負うべきとするものです。したがって、あなたに不注意な運転をした事実がある以上、損害賠償責任を負う可能性があります。しかし、あなたの献身的な活動から、被害者の方が損害賠償請求をしないというのであれば、支払う必要がない場合もあるでしょう。被害者の方とよく話し合ってみるべきと思います。
 刑事責任については、ボランティアであっても変わりませんが、情状面で考慮される場合はあると考えられます。



Q5 友人から、災害救助ボランティアのNPO法人を立ち上げるので、ほとんど名前だけで迷惑はかけないからその理事になって欲しいと頼まれました。本当に理事になっても責任はないのでしょうか。


A5 
 NPO法人の理事であっても、法人と理事との関係は委任契約となり、
理事は法人に対して善管注意義務を負います。善管注意義務とは、その人の職業・地位などからして一般に要求される程度の注意を払わなければならないことを意味します。そのため、あなたが自分の能力の限界まで十分注意を尽くしていても、仮に一般のNPO法人の理事がもっと高度な注意義務を要求されていたら、善管注意義務を尽くしたことになりません。
 理事が、善管注意義務に違反して、法人に損害が生じた場合は法人に対して損害を賠償しなければなりませんし、理事が職務執行に当たり故意・過失により第三者に対して損害を生じさせた場合は、不法行為による損が賠償責任を負うことになります。
 仮に引き受けるのであれば、十分注意されることをおすすめします。


<リンク集〜首相官邸HPより転載>

●【救援物資の提供をお考えの方へ】被災地域への各種救援物資の提供をご希望されている民間(原則として個人の皆様は除く)及び地方公共団体(都道府県、市町村)の皆様は、所在都道府県にその旨(物資の種類、数量等)を連絡し、都道府県から示された自衛隊の駐屯地・基地等に救援物資を持ち込んでいただければ、自衛隊が被災地域まで輸送をいたします。(防衛省)
 http://www.mod.go.jp/j/approach/defense/saigai/tohokuoki/index.html

●【ボランティアとしての活動をご希望の方へ】現在、被災地では余震が続くなどにより、自衛隊や警察等の災害の専門家以外は被災地に立ち入り、活動することが難しい状況にあります。
ボランティアとして活動を希望されている皆様は、被災地支援・災害ボランティア情報(全社協)に、被災地の最新情報が随時掲載されますので、これを活動の参考にしていただきますようお願いいたします。(厚生労働省)
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/volunteer_tohokutaiheiyo.html

●【寄附をお考えの方へ】東北地方太平洋沖地震等に関し、@日本赤十字社等の募金団体が募集する地方公共団体向けの義援金や、A中央共同募金会が募集するNPO法人や民間ボランティア団体等向けの寄附金は、税制上の優遇措置(寄附金控除等)の対象になります。(財務省、国税庁、厚生労働省)
(財務省)
 http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/230315shiteikifukin.pdf
(国税庁)
 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/index.htm
(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uxn.html





今日の世界情勢は・・・?


小さな子供が、大人のまねして新聞を広げていました。

しかしよく見ると、逆さま!

大人になるのは難しいね・・・・。


(撮影者坂野)





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