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当サイトは、東北関東大震災で被災された方に災害に関する法的知識を提供するボランティアサイトです。

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イデア綜合法律事務所有志

避難する際の法律知識・震災給付、融資emergency

災害発生と避難





Q1 地震による津波が襲ってきたので、必死で逃げる途中に進路をふさぐようにして立っていた人を「申し訳ない」と思いつつ、突き倒してしまいました。あとで聞くと、その人は助かりましたが大怪我をしたそうです。私はどんな責任を負うのでしょうか。

A1 刑事上・民事上の責任を負う場合があります。
 刑事責任とは、犯罪を犯した場合に、負う責任です。例えば自動車を運転していて事故を起こせば自動車運転致傷罪で処罰されるおそれがあります。これが刑事責任です。また、仮に処罰されても被害者の治療費・休業損害などの損害賠償をしなければなりません。これが民事責任になります。
(刑事責任)
 あなたの行為は、わざと相手を突き倒したものですから、形式的には傷害罪に当たる可能性があります。しかし、津波に襲われている緊急事態ですから、その場合にも傷害罪が成立させることは、相当ではありません。
 そこで、刑法37条1項により
緊急避難行為に該当するならば、刑事上の責任を負わないことになります。緊急避難に当たるかどうかは弁護士にご相談下さい。
(民事責任)
 緊急避難が成立して
刑事上の責任を負わない場合でも、民事上の損害賠償責任を負うとする考えが一般的です。但し、あなたが必死に逃げようそしているのに相手がわざと進路をふさいできた場合であれば、民法上の正当防衛(民法720条1項)が成立する可能性があります。また、そうでない場合でも、立っていた人に落ち度があれば過失相殺(民法722条2項)により、損害賠償額が軽減される可能性があります。詳しくは弁護士にご相談下さい。




Q2 地震で避難するために逃げていたときに、ビルに取り付けられていた看板が落ちてきてケガをしました。誰かに治療費を払ってもらいたいのですが可能でしょうか。

A2 具体的な事情によりますが、看板の持ち主に賠償請求できる場合があります。 お尋ねの看板の場合、建築物ではありませんので、建物占有者・所有者に対する土地工作物責任(民法717条1項)を直接使うことは出来ませんが、それに準じて、看板の設置・保管に問題がある場合には、看板の占有者・所有者に損害賠償できると考えて良いと思われます。
 看板の設置・保管に問題があるとはどういう場合かということが問題になりますが、しっかり取り付けていない場合は当然問題がある場合です。では、しっかり取り付けている場合には、どれくらい気をつけていればよいかということになりますが、
以前におきた、ブロック塀が地震で倒れて通行人が死亡した事件の際には、塀の持つべき安全性とは、通常発生が予測できる震度5の地震に耐えられる程度の強度があるかということが判断の分かれ目となっています。その後、阪神淡路大震災が起きていますので、現在ではもっと安全性が必要とされるケースは増えていると思われます。
 詳細については、専門家にご相談下さい。



Q3 地震が起きて津波が来るということで、必死に逃げている途中で、倒れた家屋の下敷きになって苦しんでいる人(他人)を見かけました。「助けてあげなければ」と思ったのですが、自分が逃げるのに精一杯で、そのまま通り過ぎてしまいとても後悔しています。助けなかった私は何らかの責任を負うのでしょうか。

A3 少なくとも法的に責任を負うことはありません。
 確かに、お気持としては、非常に後悔される場合だと思います。道義的にはともかく、
法的には一切責任を負うことはありません。なぜなら、法律は、「助け合うことを強制していない」からです。助け合いの精神は大事ですが、その精神はあくまで自発的なものであって、法律で強制されるべきものではありません。そのお気持ちを大事にして、万一同じようなことが起きた場合、手をさしのべることが出来るように心がけるだけでも素晴らしいことです。
 ただ、下敷きになっていた人が、あなたと
一定の関係にある方であった場合は、法的責任が生じることもあり得ます。例えば、(助けるだけの余裕がある場合に限られますが)下敷きになっていたのが、あなたの未成年の子供である場合は、保護者として助ける義務を果たさなかったことになり、保護責任者遺棄罪に該当する可能性があります。さらに、(助けるだけの余裕があった場合に限られますが)あなたの経営する企業で従業員が、被災して建物の下敷きになっていた場合には、あなた(使用者)には、従業員(被用者)に対して安全配慮義務を負っていますから、助けなかったことは安全配慮義務違反となり損害賠償責任を負わされる可能性も考えられます。



Q4 被災地内にあるスーパーが無人状態になっています。食料も段々乏しくなってきたので、盗みになることは分かっているのですが、生きるためにやむを得ず食料を持ち出すことは構いませんか?

A4 他人の物を盗む行為は、
相当極限的な状況になければ、正当化されないと考えられます。
 欧米では、被災地での略奪は当たり前のようですが、日本ではそこまでの略奪はみられません。それは日本人が、自分さえよければいいという人が少なく、お互い助け合うという精神を持ち合わせており、海外のメディアでも美しい助け合いの例として報道されているところです。
 さて、
食料品を持ち出すということは、他人の物をその了解なく奪うことですから、刑法上は窃盗罪に当たります。しかし、Q1で述べたように、緊急避難に該当すれば、犯罪にはなりません。緊急避難に当たるためには、直ちに食料をとらなければ重大な健康被害や死の危険がある場合のような状況が必要とされる可能性があります。また、他にとるべき手段がないことも必要です。相当極限的な状況でない限りやはり窃盗罪と判断される可能性があると思います。
 他の人に頼んで分けてもらったり、スーパーの店長・本社と連絡を取り事情を話して、了解を得た上で持ち出すという方法も考えられるでしょう。
しかし、本当にどうしようもない場合は、最後の手段として、やむを得ない場合もあるかもしれません
もうやむを得ず実行してしまった方は、詳細について専門家にご相談下さい。





震災で使える給付・融資




Q1 震災で使える給付・融資にはどのようなものがありますか?


A1 
<給付(返済不要でもらえるお金)>

・災害弔慰金
:災害により死亡した人の遺族に弔慰金を支給するもの。生計維持者の死亡での限度額500万円、その他の方の死亡は限度額250万円。自治体に申請する必要あり。

・災害障害見舞金:災害により負傷・疾病状態になり、精神や身体に著しい障害が出た場合に支給されるもの。認定条件はかなり厳しいと言われている。生計維持者であれば、限度額250万円。自治体に申請する必要あり。

・被災者生活再建支援制度:災害で住宅に著しい損害(全壊・半壊しやむを得ず解体した場合等)を受けた場合、世帯の収入、世帯主の年齢、世帯数などにより37.5万円〜100万円を生活関連経費(生活に必要な物品購入費や引っ越し費用など)として支給。自治体までお問い合わせを。

・雇用保険の失業給付:本来失業時に支給される失業給付だが、事業先が災害を受けて休業を余儀なくされている期間につき、離職していなくても失業給付を支給する震災の特例が実施されています。最寄りのハローワークまでお問い合わせ下さい。

・健康保険の傷病手当・障害年金・遺族年金など:会社員などでは傷害などにより働けない場合に最長1年半の間、傷病手当金が支払われる場合があります。障害年金・遺族年金制度も使えます。厚労省などにお問い合わせ下さい。

・労働者災害補償保険制度:いわゆる労災保険です。業務中や通勤中の被災であれば適用される可能性があります。お問い合わせは最寄りの労働基準監督署などへ。




<融資(返済必要・借りるお金)>

・緊急小口資金
:今回の大震災の被災者は、特例により所得の制限無しに融資を受けることが可能。原則10万円以内。世帯の中に死亡者・要介護者がいる場合は20万円以内で融資を受けられる。無利子。窓口は各自治体の社会福祉協議会まで。

・災害援護資金:(災害弔慰金の支給等に関する法律によるもの)
 一定の所得制限はあるが、世帯主が1ヶ月以上の負傷、家財の三分の一以上の損害、住宅の全半壊等の事情がある場合に限度額350万円での融資を受けられる。原則3年(特別な場合は5年)無利子。それ以降は年3%の利息。返済期限は据え置き期間を含め10年以内。
自治体に申請する必要あり。

・災害援護資金:(生活福祉資金制度)
 災害による困窮から自立更生する低所得世帯向け、生活保護世帯向け融資。貸付限度額150万円、1年間(災害時は2年の場合あり)無利子。以降は年3%の利息。返済期限は7年以内。
自治体に問い合わせを。

・災害復興住宅融資(住宅金融支援機構など)
 被災住宅の補修や住宅購入・建設のため、返済期間最長35年、低利、固定金利で融資が受けられる制度。年間返済額を年収の一定割合以内までとする条件あり。住宅ローン返済中の被災者に対し返済方法変更などの相談に応じており、事案により最長3年間返済猶予を認める場合もあるそうです。
住宅金融支援機構までお問い合わせを。

・災害復旧貸付:中小企業向けの融資。小規模企業は3000万円、中小企業は1億5000万円までの復旧資金を融資するもの。返済期限は10年以内。当初の2年間は利息のみの支払いも可能。東日本大震災では一定の条件はあるものの、1000万円までの融資部分につき融資後3年間は基準利率から0.9%利率を引き下げる措置も。日本政策金融公庫などにお問い合わせを。

・農林漁業セーフティネット資金:災害で被害を受けた農業・林業・漁業従事者への貸付。限度額は原則300万円。日本政策金融公庫等にお問い合わせを。




※各種制度においては、臨時的な取扱変更などもあります。また他の支援制度もあり得ますので、自治体などに十分確認されることをお勧めします。
















湖上の流星


遊覧飛行の上空から撮影した、高速クルーザーです。

まるで、糸を引いて流れゆく流星のように見えました。


(撮影者:坂野)









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